シンスプリンの原因と対策
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陸上競技の練習には「ドリル」と呼ばれるものがあります。 特定の動きを繰り返し行うことで、基本の動作や技術を身につけることを目的としています。 陸上競技の有名な指導者の中にはドリルは必要ないという人もいます。また、トップレベルの選手の中にもドリルをしないという人もいます。果たしてドリルは必要なのでしょうか。
ドリルとは陸上競技に必要不可欠な基本的な動きの一部を切り出したものです。代表的なものではスキップや腿上げ、ハードル跨ぎなどがあげられます。陸上競技経験者であれば誰しも1度はやったことがあるかと思います。 正しい動作、理にかなった動作を、走りの中で意識するだけでは身体のコントロールが難しく、なかなかうまくいきません。走るという動作は誰でもできますが、「速く走る」という動作は複雑で難しいです。速度が上がれば上がるほど難しくなります。走るという動作は全身を連動させながら、力が循環しているような動きになります。たくさんの複雑な動作をハイスピードの中で組み合わせているのです。意識を集中させて、動きをコントロールしようとしても、複雑すぎて上手くいかない場合が多いのです。ですので、ドリルとして、動きの一部分を切り出して、意識を1つの動きに集中させることで、理想とする動きに近づける練習がドリルです。 私は「ドリル」という言葉をかなり広い意味で使っています。ダイナミックストレッチや補強の一部もドリルに含んでいます。ドリルが必要ないとする指導者や、ドリルをしないというトップアスリートもいますが、そのような人達の実際の練習を見てみると、ダイナミックストレッチや補強など、広い意味でのドリルはやっていますし、普段やっていなくても技術系のドリルが初見で上手にできるだけの身体能力を獲得しています。
ドリルは競技力の向上に効果的なトレーニングであると言えますが、ドリルが上手くなったからといって、すぐに記録が向上するわけではありません。 記録の向上には様々な要素がありますが、ドリルだけが上手くなっても他の部分がダメなら記録は伸びません。 また、ドリルの中で特定の動きをマスターできたとしても、全力疾走の中でその動きを再現できるかどうかはまた別の話です。ドリルは特定の動作を強調して、そこに意識を集中しているのでコントロールしやすいですが、実際の走りでは様々な動作に意識が分散されるため、ドリルで習得した動作を全力疾走の中で再現することは難しいと言えます。ですが、ドリルを「ひたすら繰り返す」ことで意識していた動作を無意識で実行できようになります。ここで言う「ひたすら繰り返す」とは10回や20回ではありません。1か月や3か月でもありません。数年、あるいは十数年かけて何万回と繰り返すなかで獲得できるものだと思います。天才と呼ばれる人たちは、10回で獲得できてしまったりしますが、普通の人は果てしない繰り返しが必要です。繰り返しの中で、注意しなければいけないことは、本質的に動きを理解し習得した状態と、ただ動きに慣れた状態は違うということです。ただ動きに慣れた状態なのか、本質的な習得なのかを見極める為には、同じ目的を持った違う種類のドリルをやってみることです。本質的な習得ができていれば、普段とは違う種目でも即座に対応できることでしょう。 様々な動作の1つ1つを無意識で出来るようになったら次は1つ1つの動作を統合することに意識を向けます。走りの中で無意識の動作を連動させ、タイミングを合わせていきます。 最初はゆったりとしたスピードで行い、徐々に全力疾走へと近づけていきます。
20~25年くらい前、ほとんどの長距離選手はドリルをしていませんでした。他の種目の選手がドリルを行う時間になると、中長距離の選手はロングジョグやペース走にはいっていました。 しかし、20年前であっても日本や世界のトップの層はドリルを積極的にやっていました。トップ選手はスピードが出せるフォーム作りが不可欠だと20年以上前から気づいていました。最近はほとんどのチームで長距離含めたすべての選手でスプリントドリルに取組む姿が見られるようになりました。もしあなたのチームで長距離選手がスプリントドリルを行っていなかったのだとしたら、明日から積極的に取り入れていきましょう!
ドリル上達のために必要な要素は3つです。 1・丁寧な準備 マッサージやウォーミングアップ、ストレッチ等々、トレーニングに入る前の準備がいい加減では身体が思い通りに動くはずもありません。まずは丁寧なウォーミングアップが欠かせません。 2・集中力 1つのドリルの意味や目的を明確に意識しつつ、1本1本丁寧に動きます。 トレーニングにおける「意識性の原則」です。 3・根気強さ まず1万回!正しい動きを繰り返す覚悟でやりましょう。半年かかるか1年かかるか5年かかるかは皆さん次第です。10回やってできないからと投げ出す人は一生何もできません。トレーニングにおける「継続性の原則」です。