心にも体力がある:陸上競技における心のストレス管理
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全てのスポーツにおいて、基礎トレーニングとして筋トレは必要であることは言うまでもないでしょう。基礎筋力が無ければ体を支えられないし、競技特性に応じた動作もできません。 部活に入りたての初心者や、筋トレデビューしたばかりのトレーニーは必ずこんな疑問を抱くと思います「この種目、何回やればいいですか?」
1つの筋トレ種目を何回やればいいのか。皆さんはきっと指導者に尋ねたことがあると思います。もしくはメニューに最初から記載されていたり、本やネットで調べたかもしれません。 そこには大体こう書いてあったのではないでしょうか。「10回×3セット」 果たして10回×3セットに根拠はあるのでしょうか。 なぜ10回?なぜ3セット?この疑問について丁寧に考えていくことで、本当に自分にとって必要な回数とセット数が見えてきます。
10回×3セットの根拠はおそらくRM法です。 RM法をご存知ない人も多いと思うので、簡単に記載しておきます。 トレーニングにおけるRM法とは、自分が持ち上げられる限界の重さや回数を知る方法です。例えば、全力で1回だけ持ち上げられる重さを「1RM」と言います。これは「1回反復できる最大の負荷」という意味です。同じように、10回だけ持ち上げられる重さを「10RM」と言います。これは「10回反復できる最大の負荷」という意味です。 RM法を使うと、自分の目的に合わせてトレーニングの重さや回数を決めることができます。例えば、筋力を高めたい人は、1RMから5RMの重さでトレーニングすると効果的です。筋肉を大きくしたい人は、6RMから15RMの重さでトレーニングすると効果的です。筋持久力を上げたい人は、15RM以上の重さでトレーニングすると効果的です。
トレーニング初心者は10RM×3セットから始めることが基本とされることが多いです。10RMは筋肉を大きくしたい場合に使われる重さです。10RMとは10回目をおこなったら11回目はもう限界で、できないという重さということです。さまざまな研究の結果、3セット目までがトレーニング効果が大きいことが知られています。下の図のようなイメージです。
大きな筋肉は大きな力を発揮することができます。
小さい筋肉より、大きい筋肉の方が強いので、筋トレはまず、筋肉を大きくすることから始めるのが一般的です。
RM法に基けば6〜15RMの負荷で3セット行うことが効率的です。
筋トレ初心者向けの本には6〜15の間をとって10RMで3セットと記載されている場合が多いです。これが筋トレは10回3セットという設定の元ネタになっています。10RMを10回に置き換えているわけです。ですが、10RMと10回は全く違います。
10RMは10回で限界を迎えて11回目はもうできなよ!っということです。
ほんとは20回できるけど、10回でやめとくよ。とは全く話が違います。
例えば、腕立て伏せで考えてみましょう。
超超初心者向けにまずは10回3セットやってみて、正しいフォームを覚えてね。ということならOKだと思います。
もしくは、筋力が弱く10回で本当に限界なら3セットでも良いでしょう。
ですが、腕立て伏せを正しいフォームで余裕で30回できるのに、10回×3セットをトレーニングとして行ったところで、非効率的なトレーニングなってしまうのです。
先ほどRM法の解説の中にあった通り、目的に合ったRMで3セットやるのが効果的であると言えます。4セット、5セットとセット数を増やすと3セット目までよりは効率が落ちますが、それでも効果があることには変わりないので、より強くなりたい人は怪我のない範囲でたくさんセット数をこなすことが良いでしょう。 負荷の増やし方にはいろいろあります。 例えば、腕立て伏せなら足を椅子に上げてみたり、腹筋なら部位別に分けることで稼働する筋を限定して特定の筋にのみ負荷をかけたりする方法です。 一定程度を超えると自重で10RMを作ることは難しくなるので、メディシンボールやエクササイズバー(シャフト)やウエイトで負荷をかけることで、時間効率の良いトレーニングをすることが可能です。
ちなみに練習の前半、ウォーミングアップなどに筋トレが組み込まれている場合は筋力向上が目的ではなく、筋肉への刺激入れが目的であったりします。その場合はRM法に関わらず、狙った筋肉に刺激が入ればいいので回数やセット数は関係ありません。
例えば、基礎づくりのために筋肉を大きくしたくてトレーニングをしたとします。筋肉を大きくするためには6〜15RMが適正な負荷になります。にも関わらず、30回できる負荷でトレーニングを繰り返していては、効率が悪いし、主目的が変わってしいます。トレーニングの意味を理解し、正しい狙いを持って意識的にトレーニングに取り組むことが重要です。 筋トレ以外のトレーニングにも必ず意味があります。走る距離・ペース・レスト時間等の組み合わせにより、トレーニングの目的が変わります。心肺機能を向上させたいのに、30mのショートダッシュをたっぷり休憩をとりながら行っても効率が良いとは言えませんよね。 こんな研究結果もあります。 Aグループにはトレーニングの目的や意味を説明して、意識的に取り組んでもらう。Bグループにはトレーニングの目的や意味は伝えず、Aグループと同じだけのトレーニングをしてもらう。するとAグループの方が明らかに高いトレーニング効果を得ることがわかっています。 意味や目的を理解することの大切さがわかっていただけると思います。
理論的に効率の良いトレーニングについてお話ししてきましたが、全く逆の発想でトレーニングをすることも悪くないです。泥臭い、根性論、気合い、時間効率なんてクソ喰らえ!そんな漢気あるトレーニングも嫌いじゃ無いです。 むしろ、理論を超えた根性でしか見えない景色もあると思います。 10RMはわかったけど、そんなにちょうど良く10RMの負荷を作れない!! 本当に基本的な種目しか知らないし、負荷を調節したフォームは難しい!! 無理だよ!!理論とかよくわかんねーよ!もっと簡単な方法教えてよ!! っと思ったそこのあなた。とりあえず簡単な種目を限界までやり続けてみてはどうですか?時間効率は悪いですが、簡単でしかも十分過ぎるほど効果を実感できる方法です。 まずは筋トレの正しいフォームを習得してください。指導者に習ってもいいですし、基本的な筋トレのフォームはyoutubeにいくらでもあります。 やる気さえあれば一人でも正しい筋トレフォームは習得できます。 正しいフォームで筋トレができるようになったら、限界まで追い込んでみてください。 例えば、腕立て伏せを正しいフォームで15回が限界だとしたら、1セット目は15回、2セット目はもう上がれなくなるまで(15回以下の回数でOK)これをずっと繰り返します。10セット目くらいには1回しか上がらなくなるかもしれません。1回も上がらなくなったら終わりです。数時間休憩すればまた何回かできるようになるので、また上がらなくなるまでやる。これを繰り返します。 腕はパンパンになるし、箸は重たくて持てないし、扉を開けるにも一苦労します。シャンプーしようと思っても頭に手が届きません。それくらい追い込んでください。 3週間くらい続けてみてください。 全くの別人かと思うくらい強くなれます。 腹筋でもスクワットでもランジでもいいです。正しいフォームで限界まで追い込む。時間効率は悪いかもしれないけど、簡単で効果を実感できるやり方です。 RM法は時間効率よく、目的に合ったトレーニングをする場合に使える一つの考え方です。時間効率なんて関係ない!今めちゃくちゃ弱いから兎にも角にも強くなりたい!と思ったら限界までやるのが手っ取り早いです。 特にトレーニング初期や初心者は、続けられるだけの精神力さえあれば、これだけで驚きの効果を実感できます。