大会前の緊張とストレス管理

試合の時に「失敗したくない」と思っていると、無意識のうちに「失敗している自分」を頭の中で想像してしまうことがあります。不思議なもので、人間は頭の中で思い描いた自分に近づいていく傾向があります。この場合は「成功している自分」を頭の中に思い描くことが重要です。ポイントは自分の視点で場面を想像することです。観客目線や第三者目線ではなく、自分自身の視点で想像することが大切です。

「良い成績を残したい」という欲は、時として余計な力みにつながることがあります。これは人によりますが、欲望全開で強い選手もいます。プレッシャーに弱いタイプの選手は欲に飲まれてしまうことが多いです。その場合は欲を抑え、平常心を保ち、今やるべきことに集中することが大切です。

自分の実力が発揮できるかどうか、結果がどうなるかに対する不安は、心の体力を大きく消耗させます。

試合を楽しむことが大切
まずは試合を楽しむことが大切です。陸上をしていて楽しかったこと、成功体験を思い出しましょう。試合を楽しむことができれば、自然とリラックスし、実力を発揮しやすくなります。

競技中にミスをしてしまった場合、その瞬間の挫折感や自分への失望感が心に大きなストレスを与えます。ミスからの立ち直り方成功する場面や姿を自分視点で考えます。失敗する姿は心の中にある鍵がかかる箱に閉じ込めて、穴にでも埋めておきましょう。あなたのミスは自分で思うほど大したものではありません。周囲の人たちも、あなたのミスを数日もすれば忘れてしまいます。切り替えて次に向かいましょう。

同じ競技に参加するライバルとの比較は、自己評価を下げる原因となり、ストレスを増大させます。

自分自身に集中する
大切なのは、相手に勝つことではありません。相手の強さはあなたがコントロールできないことです。練習でやってきたことを試合で発揮できれば、必ず過去の自分には勝てます。ライバルと比較することはいったん忘れましょう。

コーチやチームメイトからの期待は、選手にとって大きなプレッシャーとなります。期待に応えたいという気持ちが強くなると、心の体力が削られてしまいます。

期待に対するプレッシャーの軽減
コーチやチームメイトは、あなたの日々の努力を知っているからこそ、あなたを応援しています。プレッシャーに感じることはありません。たとえ失敗しても、コーチやチームメイトはあなたを暖かく迎えてくれます。コーチを含めてチームはあなたのファミリーです。結果が出ようが出まいが、いつでもあなたの味方です。

練習自体も心にとってストレスとなります。特に厳しいトレーニングや長時間の練習は、心の体力を消耗させます。

適切なレストの重要性
適切な頻度と量のレストを取りましょう。身体を休めるだけでなく、心も休めることが大切です。勝負や記録から離れて心をリラックスさせましょう。一週間単位で必ずレストのスケジュールを決めましょう。シーズンオフには2～4週間程度のまとまった休暇を取ることも重要です。

競技者にとって、体重管理も大きなストレスの一因です。特に厳しい体重管理を強いられると、摂食障害を引き起こすリスクが高まります。

健康的な体重管理
多少の体重の上下は気にしなくても大丈夫です。体重管理を行うとしても、期間を決めたり、健康を損なうことが無いようにしましょう。いわゆるチートデイの設定も大切です。体重はストレスのかかる環境では管理できません。適切なトレーニングと栄養の組み合わせがあれば、自然とベスト体重をキープできるものです。